コーヒー屋とウェブマーケターを兼業するフリーランス今野直倫さんの働き方についてインタビューしました。
元々高校教師だった今野さんがフリーランスになり、コーヒーを仕事にしようと奮起して現在に至るまで、そしてコーヒー屋とウェブマーケターを兼業することについて語ってくれてます。
高校教師を辞めてコーヒー屋になるまで
──まずは高校教師を辞めてからフリーランスのコーヒー屋になるまでの経緯を教えてください。
通勤中に電車の中で倒れて救急車で運ばれてしまったことが大きなきっかけでした。
大学の頃に「心気症」という心の病気になって、それも多分電車で倒れるのに関係はあったかなと思ってます。
このまま通勤を続けるとしたらまた倒れたりしたら怖いなと思って、でも教師以外の仕事に転職するにしても通勤はしなきゃいけないので、通勤しないようにするにはどういう働き方があるのか考えた時に、フリーランスっていう働き方に出会いました。
──高校教師を辞めてフリーランスになるっていうのはかなり勇気がいるんじゃないかなと思ったんですが。
通勤だけでなく、組織で働くことに関して無理だなというか難しかったんで、フリーランスになるしかなかったという感じです。
──フリーランスで働き始めるにあたり、仕事にコーヒーを選んだのはなぜなんですか?
心の病気をしている時とか教員やってるときでも、コーヒーが好きでずっと飲んでました。
カフェにもよく行き、店員さんとお話したりすると気が紛れることがあり、僕の中で癒しだったんで続けていたんです。
フリーランスで仕事をするんだったら自分の好きなことを仕事にした方がストレスとかは少ないなと思ったんで、そのときハマってたというか、好きだったコーヒーを仕事にしようかなと。
──好きなことを仕事にするって、どうやったらこれ仕事なるんだっけとか思いそうなものですが、最初はどのように仕事にしていったんですか?
最初はコーヒー屋さんをやるっていうつもりはあんまりなくて。ブログやYouTubeでコーヒーの魅力を発信して、そのYouTubeとかブログとかでお金を稼ごうというのがホントのホントの最初だったんですけど、全然稼げないというか難しくて。
それでコーヒー屋さんとして仕事を始めるんですけど、フリーマーケットに出店してコーヒーを売ったり、「間借り」と言って店舗を短期間借りてコーヒー屋さんを開いたり、お茶会のようなイベントを開催することもありました。
全国を車中泊で回りながらコーヒーを淹れていく企画もやりました。それは僕一人ではなくて書道家の方と一緒に回ったんですよ。書道家の方が一筆お客さんに書きながら僕がコーヒーをその間にお出ししてコーヒーを楽しみながら書が出来上がるのを待っていただくという。
そういった仕事を進めていくうちに「放浪のバリスタ」と呼ばれるようになったんですが、バリスタっていうとコーヒーの知識がめちゃくちゃあってコーヒー専門でやられてるっていうイメージがあって。僕がコーヒーにめちゃくちゃ詳しいかというとそういうわけではないので、バリスタって自分で名乗るのにはちょっと気後れするところはあります。
実店舗「COWRITE COFFEE」を持ってから
──実店舗を持つっていうのはずっと思っていることだったんですか?
そうですね、コーヒー屋を始めてからずっと店舗を持ちたいと思ってました。
実際に店舗を持って見て、場所ができたっていうのはすごく大きいなと思ってて。
今まで移動でコーヒー屋をやっているときだと、例えばSNSとかで「今野さんとおしゃべりしたいです」と言われたときにどこに行けばいいのかわからないというか、接点が作りにくくて。
お店を持つと「ここでお店やってるんで今度来てください」って言えるようになったんで、いろんな人と交流が取りやすくなりました。
もう一つの軸であるウェブ関連の仕事について
──コーヒー屋さん以外に今野さんが軸にしているウェブ関連の仕事について、ウェブライティングの仕事が最初の出会いなんですか?
最初はそれこそブログで稼ごうっていうのが一番最初にあったもののブログで稼げなくて。
コーヒーはコーヒー屋としてやっていこうってコーヒー屋を始めるんですけど、最初のうちはそれも全然稼げなくて。
じゃ、どうやって生活していこうかなってなったときに、ブログで文章を書くことをやってたのでこれを生かせないかなということで、ウェブライティングっていうお仕事を始めた感じですね。
その延長線上で、いまはウェブマーケターの仕事もやっています。
──コーヒー屋とウェブマーケターを兼業でやられてて、1日の仕事のスケジューリングってどういう感じでやられていますか?
COWRITE COFFEEに来るのに電車とバスに乗り継いで来ているんですけど、電車とバスに乗ってる間にウェブの仕事をカタカタやってます。
店舗に到着してからは準備をし、営業開始してからは接客したりコーヒーの発送をしたりする中で、隙間時間があればそこでウェブの仕事をやったりとか。
閉店したらたらまた電車とバスを乗り継いで帰るわけなんですけど、電車とバスに乗りながらウェブの仕事して。
──ウェブの仕事って場所を問わずできるのがメリットですね。
そうですね、それが大きいです。
二足のわらじ、例えばコーヒー屋さんと居酒屋でアルバイトとなったらどうしても生計を立てるのは難しいんじゃないかなと思うんですけど、コーヒー屋さんの仕事の合間にウェブの仕事ならできるので。
──コーヒー屋とウェブマーケター時間の配分で言うと?
6:4ぐらいでウェブマーケターの方が多いかもしれないです。
コーヒー屋とウェブマーケターの兼業の満足度
──今野さんがいまコーヒー屋とウェブマーケターの兼業をやられていて、現状の満足度ってどうですか?
コーヒー屋さんをやるってなったときに多くの人が思うのは、例えば定年退職してとか、サラリーマン10年やって貯金してからコーヒー屋さんをやるっていうビジョンを描いている方がたくさんいると思うんです。
でも僕がコーヒー屋さんをやってみて、早くやるにこしたことないなというか。
定年後にコーヒー屋さんやるって言ってもその時に生きてるのか分からないし、生きていたとしてもたぶん元気じゃないんでそんなアクティブに動けない。
だからウェブマーケティングやウェブライティングもそうですけど、コーヒー屋以外の仕事と一緒に二足のわらじ的にやることで、僕でいうところのコーヒー屋さんのような自分の夢・やりたいことが若いうちからできると思うんです。
兼業の働き方のスタイルっていうのは、新しい生き方というか働き方としてアリなんじゃないかなって思っていて、二足のわらじの働き方には満足しています。